【2017WBC】侍ジャパン、オランダとの激戦制す

野球

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

侍ジャパンが強敵オランダを破った。メジャーリーガーを数多くメンバー入りさせているオランダ代表。2017WBCにおいても強力なチームの1つとして知られ、侍ジャパン強化試合でも苦戦を強いられたオランダ代表に侍ジャパンが挑む。

侍ジャパンとオランダ、4時間46分の死闘

小林がウィニングボールをキャッチした時、時計の針は12の数字を指そうとしていた。延長11回、4時間46分に渡る死闘に終止符が打たれた時、球場は大歓声に包まれていた。安堵と喜びの声が東京ドームを覆い尽くした。試合が終わると同時にファンの人達は荷物をまとめて出口まで走った。試合に勝った喜びに浸る間もなく次の戦いがそこにはあったのである。終電の存在である。終電ギリギリまで応援していたファンは即座に水道橋駅まで走った。この様子は毎年正月に行われる西宮神社の福男決めレースそのものであった。試合が終わって間もなく水道橋駅周辺は帰りを急ぐ人達で溢れかえっていた。「あと10分早く終わっていれば終電に間に合ったのに」という声も聞こえてくる。そうは言いながらも、そのファンの顔は笑顔だった。

侍ジャパンの激闘を最後まで見届けた人達による第二次ラウンド「終電チャンレンジ」が東京ドーム周辺で繰り広げられた。終電を逃した人達を拾おうとするタクシーが集結していた。

侍ジャパン、オランダ代表、一歩も譲れぬ戦いへ

強力ピッチャー攻略へ

侍ジャパンとオランダとの戦いはとにかく熱かった。侍ジャパンに立ちはだかるオランダ代表の先発ピッチャーはソフトバンクで活躍しているバンデンハーク。彼は日本のプロ野球で通算16勝3敗という成績を持つ強力なピッチャーである。小久保監督もバンデンハークを警戒しており、「オランダ戦はバンデンハークをいかに早く下ろすかにかかっている」と言うほどであった。ファンはこの言葉から、試合が始まるまでは、投手戦になることを予想していた。しかし蓋を開けてみればそこに待っていたのは全選手を投じた総力戦だったのである。オランダの先発バンデンハーク

オランダの先発バンデンハーク

来日14連勝という圧倒的な成績を残すオランダ代表ピッチャー。ゆったりとした投球モーションから繰り出される150キロ台の速球が持ち味。バンデンハークの攻略なしにオランダ戦の勝利はないと言われるほどだった。via google imghp

一本の恐ろしさ

侍ジャパンは2回表に秋山の犠牲フライで先制するもその裏で取り返される。3回表に中田の3ランホームランを含む4得点で勝ち越すも、その裏にまた取り返されるといった乱打戦を繰り広げた。オランダ打線の怖い所はどの選手も軽々とホームランを打ってしまうところにある。侍ジャパンがヒットとバント、犠牲フライでようやく掴み取った1点を、オランダはホームラン1本で返してくる。5回表に小林のタイムリーヒットで勝ち越して均衡が崩れたものの、どの選手がホームランを打ってもおかしくない打線を相手にしているため全く安心出来ない。そんな息の詰まる状況でありながらも侍ジャパン投手陣は粘りのピッチングでその後を無失点に抑えて9回裏を迎える。頼れる男中田

頼れる男中田

同点に追いつかれた直後の攻撃で3ランホームランを打つ中田。打った瞬間球場は大歓声に包まれていた。via google imghp同点アーチを放つバレンティン


同点アーチを放つバレンティン

日本の球団である東京ヤクルトスワローズで活躍するオランダ代表4番のバレンティン。ポールに直撃する衝撃的なホームランで日本のファンを黙らせた。via google imghp

9回裏の悲劇、延長の死闘

あと3アウトを取ればこの試合に勝つことが出来る。そんな状況の中マウンドに上ったのは則本。9回裏から登板した則本はヒットを打たれながらも2アウトを取る。しかし、あと1アウトが遠かった。オランダの6番スクープによって放たれたセカンドへの当たりは無情にも菊池のグラブをすり抜けていった。同点に追いつかれて尚もサヨナラのピンチ、しかしここは則本が三振に抑えた。球審による三振のポーズはいつ終わるか分からない延長戦を告げるものでもあった。10回表、侍ジャパンは1アウト満塁のチャンスで青木を迎えるも併殺打で得点ならず、その裏のオランダは三者凡退で得点することができなかった。ここは牧田が好投した。同点打を打たれる則本

同点打を打たれる則本

2アウトまで取りながらも打たれてしまった同点のタイムリーヒット。その後はなんとか踏ん張りサヨナラ負けは回避する。via google imghp好投する牧田

好投する牧田

10回裏、ホームラン1本でサヨナラ負けという場面で強力なオランダ打線を無失点に抑える。素晴らしい投球で己の底力を見せつけた。via google imghp

神ってる男がバント?タイブレーク制ならではの采配

試合が再び動いたのは11回表の侍ジャパンの攻撃のときである。WBCでは11回の攻撃からタイブレーク制といったルールが適用される。タイブレーク制とは、ノーアウトの状態で1,2塁にランナーを置いた状態で攻撃を始めるというルールである。このルールの場合、いかに細かい野球をすることが出来るかが勝負の鍵を握っていたりする。11回表の侍ジャパンの攻撃の先頭打者は神ってる男、鈴木誠也である。普段であればヒットを打たせるのが当たり前であるが、この場面だと状況が少し違う。一点でも多く取らないと裏のオランダの攻撃でサヨナラ負けの危険があるため、パワーのある神ってる男にバントの指示を出したのである。これが普段のルールとタイブレーク制の違いである。それが功をなして続く中田が2点タイムリーヒットという値千金の一打を放った。11回裏のマウンドに上ったのは10回で好投した牧田。三者凡退で試合を締めくくり、4時間46分の死闘に終わりを告げた。決勝打を放つ中田

決勝打を放つ中田

オランダ戦5打点の中田。最後に頼れるのはいつもこの男。頼れる男の一打で激戦を制した。via google imghp

全員野球で掴んだ勝利

侍ジャパンがオランダ代表に勝てた要因は言うまでもなく全員野球である。この試合で登板した侍ジャパンの投手はなんと9人。ピンチを招いてしまったピッチャーを救援登板で救う場面がいくつも見受けられた。ピッチャーだけでなく、守備もファインプレーで試合を盛りたてる。特に菊池のファインプレーは見ているファンにも勇気を与えた。青木を除くメジャーリーガーが出場していない現状だからこそ、日本らしく全員野球で勝ちを掴み取った試合あるというのはとても大きなことである。この後も苦戦を強いられる戦いが続くに違いない。オランダ戦で勝ち取った勝利を糧に、どの試合も全力で突き進んで欲しい。



ページトップへ