歌舞伎×ボカロ拍手喝采で幕を閉じる【超会議レポ】

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連日満員御礼だったニコニコ超会議の超目玉、歌舞伎とボカロのコラボレーション【超歌舞伎】。今回は実際に現場に行き生の芝居を観ての感想をどこよりも多くの画像を使って超ロングレポート!!!!

伝統芸能とボーカロイドの融合。【超歌舞伎】

4月29日、30日の二日間で開催されたニコニコ超会議2016。二日間の来場者は過去最高の15万2561人となった。100以上ある様々な企画、ブースの中でやはり今回の目玉となったのは日本の伝統芸能、【歌舞伎】と世界的ムーブメントになっている【ボーカロイド・初音ミク】とのコラボレーション【超歌舞伎】だろう。400年以上の歴史のある歌舞伎と今年で生誕9周年の初音ミク、ましてや3次元と2次元という相反する両者のコラボレーションに開催前から大きな注目を集めていた。今回歌舞伎側からは中村獅童(萬屋・よろずや)、澤村國矢(紀伊国屋・きのくにや)の二名が出演、ボーカロイド側はもちろんボカロ界の絶対クイーン初音ミクが初音屋(初音屋・はつねや)として出演した。今回の演目は歌舞伎の「義経千本桜」とボカロの有名タイトル「千本桜」を掛けあわせて作られた、「今昔饗宴千本桜」(はなくらべせんぼんざくら)。

あらすじ

神の時代、平安時代、大正時代の3つの時代で構成された物語。千本桜の守り神、白虎とその転生、佐藤四郎兵衛忠信(さとうただのぶ)、さらにその転生靑音海斗と、千本桜の姫・未玖姫、と大正時代に転生した初音未来が織りなす物語。千本桜を狙う青龍との戦いと初音未來(未玖姫)と靑音海斗(佐藤忠信・白虎)との愛を描いた4部構成で話が展開していく。

会場レポート

今回会場で生の芝居を観れたことに感謝しつつレポートを綴っていきたい。google imghp (19457)

via google imghp開演30分前に会場に入るもののアリーナ席のチケットは既に完売。2階席も7~8割は埋まっておりその注目度の高さが伺える。

舞台は木肌を思わせる白くザラツイた大枠の中に黒、橙、緑の歌舞伎の模様の幕で覆われており(後にこの模様もプロジェクションマッピングだったことに気づく)上手側には花道が設けられている。和テイストの舞台と青白い照明は昔ながらの歌舞伎のイメージと現代技術が入り混じったような亜空間を連想させる。場内には和楽器で演奏された千本桜がBGMとして流れており観客の気分を盛り立てていた。ほぼ満員御礼で開演された「今昔饗宴千本桜」。今回佐藤忠信と白虎役を務める中村獅童さんの挨拶からスタートされた。歌舞伎を見る際の注意事項と今作の物語のあらすじとキャラクター設定を説明が終了した後、初音ミクが登場し会場のボルテージが一気に上がる。google imghp (19471)

via google imghp舞台下から登場した初音ミク。モニターではAR技術で実際に初音ミクが舞台上にいるかのように立体的に映しだされている。さらにモニターではネットユーザーからのコメントが常時見れるようになっており会話ができない開演中も他者の意見を目にすることができ、観客を飽きさせないような作りになっている。google imghp (19474)

via google imghp大正時代、初音未來と靑音海斗が青龍と対峙しているところから始まった本編。両者互角かと思われた戦いだったが一瞬の隙で靑音海斗が青龍にやられてしまう。初音未來の悲痛な叫びと共に時代が遡り時は神の時代(以降神代)に遡る。google imghp (19482)

via google imghp千本桜の姫未玖姫と千本桜を守る神白虎。そこに東を司る神青龍がやってくる。舞台モニターには映像を使った青龍と白虎の戦闘シーンと舞台上では殺陣での迫力あるアクションが繰り広げられる。この戦いに敗れた白虎と未玖姫。千本桜の花びらは全て散ってしまう。

その1000年後に白虎から転生した佐藤四郎忠信(以降忠信)が再び青龍に挑むgoogle imghp (19484)

via google imghp青龍の長いからだを模した軍勢に挑む忠信。青龍を追い払い花道では六方を魅せ会場を湧かせる。google imghp (19487)

via google imghp青い隈取で現れた青龍。未玖姫に自分の妃になるよういいより未玖姫も千本桜に花を咲かせれば妃になると交渉を成立させたかと思われたが、青龍が咲かせた千本桜は幻影。あっと言う間に未玖姫にバレてしまい一触即発。google imghp (19490)

via google imghpネットユーザーは青龍のこの火の玉に対して

「ファイアーボールだ」
「クッパ様だ」

と大盛り上がり。こうした楽しみ方も超歌舞伎ならではである。一部二部三部とやや駆け足にも感じた話はいよいよ佳境に、google imghp (19493)

via google imghp忠信と青龍との最終決戦へと差し掛かる。
ここでは歌舞伎ならではのアクションや大掛かりなパフォーマンス、和楽器の音色で観客らに日本の伝統をまじまじと見せつける。google imghp (19495)


via google imghp花道で繰り広げられるアクションに観客も息を呑む。
さらに九尾のちからで分身した忠信が舞台上モニターに映し出され本物とのシンクロした動きに場内全体がその凄さに目が釘付けになっている。google imghp (19497)

via google imghp見事青龍を撃退した忠信。

この日ノ本の
数多の人の言の葉を力として千本桜に再び花を

例えこの身が滅ぶとも我が魂はこの血に残り日ノ本の行く末を、花を咲かせた千本桜見届けくれん

未玖姫、後はソナタに

ボロボロの満身創痍の忠信が放ったこのセリフを起爆剤として会場モニターにはネットユーザーのピンク色のコメントが一気に流れ始める。その数多のコメントが会場真ん中の千本桜の木に集約されていき満開の千本桜に。会場もこの日1番の盛り上がりを見せる。

満開の千本桜の基。力を取り戻した忠信。響き渡る千本桜。観客の歓声が三位一体となり会場が1つとなる。google imghp (19504)

via google imghpgoogle imghp (19505)

via google imghpスタンディングオベーションで湧く観客たちを忠信がさらに煽り、地鳴りのようになっていく歓声には鳥肌不可避。

ここからは獅童さんも役を捨て、観客も自分を捨て、踊り始めていた。

こうして興奮冷めやらぬ中あっという間の60分が終わった。google imghp (19510)

via google imghp

日本芸能の新たな境地

30日に観劇して2日が経った今も思い出したら鳥肌が立つほどの興奮が残っている。昨年に市川猿之助さんが主演を務めたスーパー歌舞伎セカンド「ワンピース歌舞伎」もプロジェクションマッピングを使った演出と壮大な舞台装置に感動したことが記憶に新しいのですが、今回の超歌舞伎は私の中ではその衝撃を上回るものとなりました。プロジェクションマッピングの他ARやユーザーコメントとのリンク、いままでに観たことのない舞台に今後の日本の演劇界に大きな影響を与える気がします。ARはコスト上なかなか難しいかもしれませんが生放送が容易にできる現代で、このコメントを利用したインタラクティブな演出法は小さな劇団でも使用できますし、プロジェクションマッピングの演出もドンドン増えてこれからもっと低コストでできるようになれば、さらに演劇界は盛り上がっていくでしょう。点数も付けがたい程の最高の舞台でしたが唯一指摘があるのだとしたら、ボーカロイドと演者の距離感。モニターには3Dで映しだされていましたが、実際の舞台では平面な映像。正面から見れればまた違った印象になるのかもしれませんが、角度が変わると見えなくなるということもあります。今回は中村獅童さんだからボーカロイドとの会話が成り立ったところもあると思いますが、経験の浅い俳優さんになれば言葉のキャッチボールができずにボールの投げ合いになってしまうだろうなと思いました。

しかし今回の超歌舞伎はまさに傑作。1500円のチケットを買えば見れるなんて破格の値段です。今回、超歌舞伎を現場で観劇することができたのはとても貴重な経験です。

中村獅童さんや市川猿之助さん、市川海老蔵さんなどは若い歌舞伎役者のなかでも本当にチャレンジ精神旺盛で毎回驚かされます。今後の日本の演劇界を盛り上げていくために更なる活躍に期待します。



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