冨田勲×初音ミク最新作 追悼特別公演で上映決定

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先日亡くなった作曲家の冨田勲とバーチャルシンガーの初音ミクによるコラボ最新作が冨田氏の追悼公演で上映されることが決定した。音楽、映像が一体となった壮大な作品から目が離せない。

冨田勲×初音ミク 追悼公演で最新作公開

先日、5月5日に亡くなった作編曲家・シンセサイザー奏者の冨田勲氏がバーチャルシンガー、初音ミクとのコラボレーション最新作として制作していた「ドクター・コッペリウス」が今年11月に予定通り上演されることが決定した。VOCALOID「初音ミク」をソリストに起用した作品としては前作の「イーハトーヴ交響曲」に続いて2作目となり、今作はオーケストラ演奏に初音ミクの歌唱、そしてバレエの要素が追加される、前作に引き続きクリエイティブな作品となっている。

冨田氏は、亡くなる直前まで本公演に関する打ち合わせをしており、楽曲そのものはほとんど完成していた状態だったと言う。遺族の意向もあり、本人も楽しみにしていたこの作品を、公演タイトルを「生誕85周年記念」から「追悼特別記念」に変更して予定通り上映することとした。google imghp (20408)

日本を代表する音楽の巨匠、冨田勲と現代テクノロジーの象徴とも言えるバーチャルシンガー、初音ミクのコラボレーション オーケストラ、映像と電子の歌唱が生み出すコントラストに注目だvia google imghp

冨田勲ってどんな人? 劇伴から歌謡曲までこなすマルチな才能!

今回、追悼公演として最新作の発表が決まった冨田氏だが、彼がどのような経歴を持つ音楽家なのか知らない人も多いのではないだろうか。まずは、彼のこれまでのさまざまな活動についてまとめてみたいと思う。google imghp (20412)

作曲家・編曲家及びシンセサイザー奏者として世界に知られる冨田氏 その実力は折り紙付きで、アコースティックのオーケストラ音楽から前衛的な電子音楽、はたまたその両者の融合など、固定観念にとらわれない自由な作風が人気を博したvia google imghp慶応義塾大学に在学中、美学美術史を学ぶ傍ら、弘田龍太郎に師事して音楽理論を学び、全日本合唱連盟のコンクールに応募した作品が1位入賞、作曲家の道を進むことを決意し、大学在学中からNHKの音楽番組の仕事を始める。

大学を卒業後はコマーシャルの音楽から料理番組のテーマ音楽、大河ドラマや映画の激伴音楽、はたまた特撮作品やアニメの音楽まで幅広く仕事を請け負い、また、それらを同時にこなしながら多くの作品を生み出した。手掛けた作品の中には手塚治虫原作のアニメ「ジャングル大帝」「リボンの騎士」といった有名な作品も多数含まれている。

その後、訪れた輸入レコード店でシンセサイザーを前面に利用した音楽と出会い、感銘を受け、日本で初めてシンセサイザーを個人輸入した。始めは使い方もわからずに四苦八苦していたが、1年4ヶ月後、デビューアルバムとなる「月の光」を制作した。

その後はシンセサイザーのサウンドとアコースティックサウンドのどちらも使いこなし、作曲の幅を広げると同時に、立体音響作品の制作にも力を入れ、型にはまることのない柔軟な音楽制作の形を提案していった。


冨田勲「月の光」
幻想的な音色の重なりが、まるでオーケストラ音楽を聴いているかのような壮大さを感じさせるvia www.youtube.com

冨田勲×初音ミク第一作「イーハトーヴ交響曲」とは?

このような素晴らしい経歴を持つ冨田氏と、現代音楽の一つの象徴ともいえる初音ミクとのコラボレーションというと、やはりどのような作品が出来上がるのか気になるところだろう。前項の最後で代表作の一つ、「月の光」を紹介したが、初音ミクとのコラボ作品はどのように仕上がるのだろうか、2012年に公開された作品「イーハトーヴ交響曲」を紹介する。

冨田勲×初音ミク 「イーハトーヴ交響曲」 第5楽章 – 銀河鉄道の夜via www.youtube.com「イーハトーヴ交響曲」は宮沢賢治の文学作品を題材とし、全7楽章から構成されている。上で紹介したのは第5楽章となる「銀河鉄道の夜」で、ソリスト(メイン・ボーカル)に初音ミクを起用している楽章の一つである。約9分の大作で、冨田氏の解釈する宮沢賢治の世界観を音楽を通して味わうことのできる非常に聴きごたえある作品となっている。

「月の光」とはうって変わり、全編を通してアコースティックなオーケストラ・サウンドからなり、電子的な音と言えばボーカルの初音ミクの歌声のみである。軽やかさを感じるパート、悲しい雰囲気のパート、そのそれぞれに初音ミクのかわいらしい歌声、寂しげな歌声が調和し、ミュージック・ビデオの幻想的な映像と相まってクラシック音楽のような壮大さと共に現代的な雰囲気も感じ取ることのできる独特の作品に仕上がっている。

クラシック音楽が好きな人も、電子音楽、VOCALOIDが好きな人も、どちらにも聴いてほしい不思議なバランスの作品である。追悼公演で発表予定の新作「ドクター・コッペリウス」も同じようにオーケストラとのコラボ作品ということなので、「イーハトーヴ交響曲」が気に入った方ならば、早めにチェックしておこう。

まとめ

日本を代表する作編曲家の、新たな可能性を追求するそのクリエーションとチャレンジ精神から生まれたと言ってもいい冨田勲×初音ミク作品。惜しくも、冨田氏の逝去後の発表ということになってしまったが、間違いなく歴史に残る素晴らしい作品となることだろう。

冨田氏のご冥福をお祈りするとともに、これからも彼の作品が世界の音楽に影響を与え続ける導き手としてあり続けられることを願う。



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