
日本において謙虚さは美徳とされていますが、グローバルになりつつある現代社会では謙虚すぎると損をするかもしれません。謙虚とはどういう意味なのか、もう一度しっかりと意味を把握して自分の価値を貶めていないかを考えてみましょう。ここでは謙虚の本当の意味や堅実との違い、そして損をせずに謙虚になる方法を解説していきます。
謙虚の本当の意味とは
謙虚という言葉の意味を調べてみると
- ・控えめで慎ましい
- ・相手にへりくだって意見を素直に受け入れる様子
- ・自分の能力や地位に奢らず、相手に接すること
と、解説されています。
もちろん、日本で称賛されている謙虚は「偉い人の前でへりくだること」ではありません。
むしろ部下や後輩など、自分より下の立場にいる人に対して「偉ぶらないこと」が良い謙虚です。

具体的な例を挙げるなら、
- ・仕事ができても威張らない
- ・社会的立場が高いのに低姿勢
- ・実力が低い人からのアドバイスも聞く
こういった行動を自然と行なうことができる人が周囲から尊敬される謙虚な人です。

見方を変えれば「向上心が高い人」ということにもなります。
謙虚な人は立場に捉われず、いろんな人の意見を取り入れる大きな器の持ち主です。
スポーツ選手や大企業の社長を見ていてもわかるとおり、成功をおさめている人の多くが「他人の話や意見をよく聞く謙虚さ」を持っています。
謙虚と堅実の違い
堅実と謙虚は同じ意味、似たような意味を持つ言葉ではありません。
堅実は手堅く確実な行動を行なうこと、もしくはしっかりしているなどの意味があります。

頑固な堅物、ケチなど皮肉として用いられることもありますが、堅実も日本において美徳として挙げられることが多い言葉です。
謙虚は損する?
日本国内では良いとされている謙虚な振る舞いですが、あまりにも謙虚が過ぎると損をすることも多々あります。
特に海外では謙虚な姿勢を取る人はあまり多くありません。
外国の人々は称賛されても素直に喜ばない日本人を不思議に思うようです。
良い評価に納得していないということは、何か落ち度があるのではないかと勘繰られることもあります。

グローバルな社会で活動しているなら、謙虚という文化は日本特有のものと捉えるべきでしょう。
もちろん日本国内においても、謙虚の意味を取り違えるとたくさん損をしてしまいます。
損をせずに謙虚になる方法
損をせずに謙虚になるためには、どういった行動や発言が「損をする謙虚」になるのかを知っておく必要があります。
ここでは損をする謙虚から、損せずに謙虚になる方法を紐解いていきます。
1.称賛を素直に受け入れる
褒められた時に自分の悪い部分を羅列するのは、謙虚ではありません。
自分で自分の評価を下げてしまうだけです。
相手も「せっかく褒めたのに」と不快になります。
称賛された時は素直に「ありがとう」と返しておきましょう。

2.自慢せずに自己アピールをする
自己アピールしないことも謙虚ではありません。
アピールしなければ、他の人に自分が挙げた成果を取られてしまうこともあります。
目標を達成した時に評価を求めるのは当然です。
やったことは「やりました」と報告して、正当な評価を得られるようにしましょう。
報告したあとに自慢話をしなければ、それだけで謙虚な人という印象を与えることができます。

3.話をよく聞く
他人の話をよく聞く人は謙虚な人です。
ただし、ただ単に聞いているだけでは都合のよい話し相手としてグチや文句につきあわされる羽目になります。
話を聞く姿勢は大切ですが、無駄話につきあう必要はないのです。
無駄話は「今は忙しいから」と告げて、早めに切り上げましょう。

4.プライドをしっかりと持つ
謙虚な人は、実はプライドが高いと言われています。
確固たる信念が自分の中にあるからこそ、謙虚でいられるのです。
自分を低くみること=謙虚ではありません。
譲れない部分は譲れないと、はっきり明言しておきましょう。

5.評価のために行動しない
謙虚な人は上司やクライアントから褒められることを最終目標にしていません。
褒められなくても目標を達成することで満足感を得られるのです。
ただし、報酬や給料に関して妥協するのは厳禁です。
他人の仕事を無闇に引き受けるのも謙虚ではありません。
給料や報酬、サービス残業に関して「謙虚になれ」と強要する会社や上司はブラック企業です。
働いたぶんの報酬は、我慢せずにキチンと請求しましょう。

まとめ
謙虚な人は他人から好かれやすい特徴を持っています。
しかし一方で損をすることが多い人生を送っています。
他人から都合が良い人間として扱われている可能性も少なくありません。
損をしていると自覚している謙虚な人は、謙虚になりすぎている可能性があります。
そういった人にとって謙虚という言葉は褒め言葉ではなくなっているといえるでしょう。
謙虚にならなければいけないのは、普段から「ワガママだ」と批判されがちな人です。
謙虚になりすぎないように注意しながら、損をしない人生を送れるよう努力していきたいものですね。