
雑誌number920号で苦悩の日々を赤裸々に語った清原和博。覚せい剤で逮捕された瞬間や留置所での屈辱的な出来事、そして仲間や家族との関係性の変化まで包み隠さず語るその姿にかつての威厳ある姿は消え、背中は小さく感じられます
numberの特集、清原和博「告白」
野球に詳しくない人でも、清原和博の名を知らない人はいないと言っても過言ではないでしょう。また、2016年2月に覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕されたことで世間を賑わせたため再度認識せざるを得なくなったことも記憶に新しいかもしれません。

元プロ野球選手、清原和博
そんな彼は、現役引退後より体重の増減を主とした見た目の変化が取り沙汰されていましたが、ここにきて再び新たな清原和博を確立したようです。それは、2017年6月に雑誌『number』の表紙を飾ったことにより公になりました。その現在の衝撃の写真はこちら。

number表紙の清原和博
これは…なんだか綺麗になったといったら失礼ですが、今までのギラつきや厳つさがどこへやら、一切無いと言っても過言ではありません!老けたと言われるとそうとも捉えられますが、実際彼は2017年8月の誕生日で50歳を迎えるので年相応と言われるとその通りかも。
しかしかつてはあんなに強面だった清原ですから、彼の昔を知る人はさぞかし仰天している様子。確かにこの表紙、顔の横に「清原和博」って書いてなかったら果たして誰だか判ったか怪しい。
Numberっていうスポーツ関係の雑誌?の中吊り広告が電車に出てるんだけど、この写真の人ほんとに清原なん?あの清原?こんな顔だったっけ。いくらなんでも人相変わりすぎじゃない??
— スバル@雑食雑多 (@Pleiades_bell) June 30, 2017
変わりすぎですよね。さすがに誰だか分からないレベルだと思います。電車の中吊り広告で見かけたというツイートがかなり多く見られましたが、何人の人を驚かせた中吊りだったのやら。
Numberの清原、毒気抜けたからか七三に分けてるからか知らんけどオーラゼロすなあ。表紙が選挙ポスターっぽい(しかも落ちるタイプの)
— Dのレコンギスタ (@CBDEXW) June 30, 2017
(しかも落ちるタイプの)というのがえらい言われようですが、たしかにオーラは皆無かも。ただし今の彼にオーラが必要なのかと問われると、中の特集「告白」を読むとそんなことは言っていられない生々しさがあるんです。
雑誌「Number」に出てた最近の清原和博氏の写真。なんか、以前あったようなギラギラした感じがない。かといって、若い頃のような溌剌とした感じでもなく、どこか虚空を見てるような(虚無的でもなく)雰囲気を感じた。
— 五重塔 (@gojyuunotou) June 30, 2017
「どこか虚構をみているような」「虚無的でもなく」ってなんとなくしっくりきてしまいました。これが薬物を使用していた男で、逮捕された男で、その後を生きている男なのかと考えさせられます。
numberの表紙の清原が、とてもあの清原に見えず、どっかでミスした銀行員のように見えて仕方ない
— hiroyuki (@SSDtter) June 30, 2017
選挙ポスターやしがない銀行員に見えてしまうと話題の清原和博。今までの姿は見る影もなく消えてしまいましたが、果たして「告白」と題したこの雑誌の特集で彼はどのようなことを語っているのでしょうか。
そこには想像を超えた苦悩と、なんともいえない絶望感、悲壮感が漂っていました。また、辛辣にも思える質問にも真摯に答えている姿がまた痛々しくも感じられます。
numberで語った苦悩の日々
保釈から1年が経ったこともあり、それをベースにインタビューが始まったnumbers920、清原和博の特集号は、「現在の生活」から「現役時代の孤独」、そして「留置所での生々しい生活」や「保釈後(現在)の家族との関係」まで赤裸々に語っていますが、どの質問にも言葉が詰まることも多く、言葉を慎重に選び、頭の中を整理しながら丁寧に話しているといった印象を受けます。

number巻頭の清原和博
8ページに渡りびっしりとインタビュー記事が掲載されていますが、そのなかでも彼が語った悲痛な言葉やエピソードにこのようなものがあります。
僕は『野球で死んでもいい』と思うくらい命をかけてやってきました。
でも、いま思えば、野球での苦しみなんか、たいしたことなくて、どんな状況でも野球をやっていることが幸せであって、終わってからの苦しみの方が遥かにつらかったですね………
どんなことがあろうが、野球をやっていれば、たった1本のホームランですべてを帳消しにできるんですけど…(略)
このエピソードは、何もプロ野球選手だけに限らない事なのかもしれない、と考えさせられる切実な思いのような気がしてとても考えさせられます。

numbers930、清原和博 赤裸々に語る
また、とても印象的なのは、インタビュアーが「覚せい剤」や「クスリ」といった言葉を使っても、清原本人は絶対に”その単語”を口にせず、頑なに「そういうもの」と表現している点でしょうか。
インタビューの内容からも、現在も薬物を断つための治療に専念し、またそれに成功はしているものの、いつどこでまた振り出しに戻ってしまうかもしれない恐怖と闘っているリアルさが見え隠れして生々しさを感じます。

清原和博、雑誌numberで「告白」
また、誌面では佐々木主浩や大久保博元、立浪和義、小田幸平、そしてダルビッシュ有らが清原を支え、連絡をくれたりご飯に誘ってくれるといった話もしていましたが、やはり憔悴仕切っている感は否めず、積極的に人に会えたりはしていないことが見て取れてしまう内容となっていました。
逮捕後も数ヶ月単位で太陽すら見ておらず、部屋にこもりDVDを見たりする生活だったという話も以前出ていたようですから無理はないのかもしれませんが、身から出た錆とはいえちょっと心配になってしまうほどの覇気のなさです。決して後ろ向きではないですが、前向きとも言えないところが物苦しいです。
ネットの意見
さて、このように想像以上に生々しく焦燥感漂う内容となる「告白」を繰り広げた雑誌『number』。この雑誌を手に取った人たちはどのような反応を見せたのでしょうか。
Twitterでの意見
そして何度も言うけど、文春は嫌いだけどこうして清原の特集を組み続けてくれるNumberは本当に立派だと思う。そして清原、頼む、立ち直ってくれ。そんだけあんたの存在はでかいんだ。あんたに夢を見ている人は未だに多いんだ。
— 四式戦闘機弁務官丙型 (@ki84type4) June 30, 2017
ファボやリツイもされていることから、この方の意見に賛同する人もきっと多いのだろうと思います。野球に詳しくない人でも彼の名前を知っている人が多いということは、それほど偉大な人であるということだと思いますので、彼を知る人となればどれほどの思いがあるか計り知れませんね。
numberの清原巻頭特集、見てたら泣けてきた…やっぱ清原好きだなあ…
— タカハシだっふんだ (@kubodisco) June 30, 2017
自業自得だろうと切ってしまう意見よりもこういった意見が目立ったのはTwitterだからなのか否か。
雑誌Numberの清原の記事を読む。輝かしい過去と後悔の過去とずっと向き合う人生なんだな。簡単に前を向けとは言えない。辛い記事だ。
— 杉田 裕一 GENESIS (@bizeye) June 30, 2017
記事を読んだ人はやはりその悲痛な姿に心を痛める人が多く見受けられました。清原もまだ齢50歳ですしね。まだまだ人生が続きますから考えてしまいます。
インターネット掲示板の意見
それでは、厳しい意見も散見されるインターネット掲示板の意見はどうなっているのでしょうか。
・テレビで堂々と嘘つきまくってたカスだろこいつは。どうせまたやるよ
・県議会議員かな
・一目見てその筋のおっさんだったのがずいぶん普通のおっさんになった
・人間そんなに簡単に変わらんで
・若いときはこんな感じだったよな。チンピラみたいな格好でテレビ出てたときがおかしいだけ
・三村みたいだなw
・きれいなおっさんにみれるが服脱いだら入れ墨びっしりの極道だからな
確かに、テレビでクスリ使用を堂々と否認していたことや、刺青のことをすっかり忘れてしまいそうになっていましたがそのあたりもやはり消したくても消せないものですよね。それも含めて後悔しかないようですが、この先どのように生きていくのかちょっと想像ができなくなってきました。
まとめ
釈放から1年以上が過ぎた2017年夏、緊張し、手を震わせながら赤裸々にインタビューに答える清原和博の姿がありました。人生が狂い始め、薬物に手を染め始めたきっかけを聞かれると、ここ!という明確な時は思い出せないと答えた清原。
それだけ、彼の心は日常的に蝕まれ続けていたのかもしれませんが、あれだけ存在感と威圧感のあった男の姿は見る影もなくなってしまいました。今後、何かに希望を見つけて生きて行ってくれたらと願ってしまうほど憔悴仕切った彼の背中は小さく見えます。