
東京五輪(東京オリンピック)の会場が全面禁煙になることが決定しました。さらに東京都内の飲食店も全面禁煙に…。ここでは全面禁煙の詳細と、懸念されるデメリットについてご紹介します。
東京五輪、全面禁煙に
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック大会(以下、東京五輪)の会場を、屋外含め敷地内を全面禁煙にすることが決定しました。
◆【新国立競技場/東京】
2019年完成予定
「2020年東京オリンピック」
メイン会場『新国立競技場』ふたりで行ってみたいと思った人は、RT…
— ふたりで行ってみたい癒しスポット (@futarisp) October 4, 2019
観客はもちろん、ボランティアスタッフや選手など、来場する全ての人が禁煙の対象となります。また、たばこは紙たばこだけでなく、加熱式たばこ(アイコスなど)も対象です。
夏季五輪では屋内を禁煙とすること自体、近年では珍しくありませんが、屋外も含めて全面禁煙となるのは東京五輪が初めてです。
なお、前回のリオ五輪では屋内全面禁煙でしたが、敷地内の簡易喫煙所を設けていました。どうやら五輪大会のたびに規制が厳しくなっているようです…。
東京都内の飲食店も全面禁煙に
東京五輪会場の全面禁煙が確定したほかに、東京都では「東京都受動喫煙防止条例」が2018年6月27日に可決されました。施工は東京五輪直前の2020年4月1日からです。
東京都受動喫煙防止条例の内容は、従業員を雇用している店舗では原則屋内禁煙とする条例です。
東京タワーからそのまま歩いて完成間近の新国立競技場に。 pic.twitter.com/0EDvUmkdl3
— やままる@ドラゴンクエストウォーク (@yamamaru_dqw) September 27, 2019
飲食を認めない喫煙専用室での喫煙は認められるものの、完全分煙している店舗でも喫煙しながらの飲食は許されません。
ちなみに従業員を雇用している飲食店は東京都内の約84%、およそ13万件ほど全面禁煙の対象となります。
東京都受動喫煙防止条例が施工されることで、たばこを吸いながら食事を楽しむ光景を都内で見ることができなくなります。
新国立競技場 pic.twitter.com/v5WyfpOI9L
— ふらんnext CS final 9日 メトラ (@ezw0911) October 3, 2019
なお、家族のみで経営されているなど、従業員を雇用していない店舗の場合は条例の対象とならないため、引き続き食事をしながら喫煙することが可能です。
東京都内が全面禁煙になるわけではない
全面禁煙となるのは東京五輪の会場敷地内と飲食店のみであり、東京都内が全面禁煙になるわけではありません。
歩きたばこやポイ捨ては基本的に禁止されている地域がほとんどですが、路上喫煙が許されている地域は意外と多いです。なので、たばこを吸いたいのであれば、全面禁煙となっているエリアから外に出ればいいのです。
世界陸上会場のハリファ国際スタジアム。暑さで知られるカタール・ドーハですが巨大な冷房装置があり、場内気温は快適なレベル。ただ費用はとんでもなく掛かっているはず。東京五輪時はいかに。。。 #世界陸上 #スタジアム #WorldAthleticsChamps #オリンピック #Tokyo2020 pic.twitter.com/1DGY3ocyse
— GEN YANAGIHARA/柳原 元 (@genyanagihara) September 28, 2019
ただし重点区域の場合は路上喫煙もNGなので、予め東京都内の喫煙可能区域を確認することをおすすめします。
また、重点区域の路上喫煙や歩きたばこ、ポイ捨てなどそれぞれの区域での条例に違反した場合は、罰金などの刑が処される場合があるのため注意が必要です。
東京五輪、全面禁煙で懸念されるデメリット
東京都内では会場内が全面禁煙であり、さらに東京都内の飲食店も全面禁煙となってしまい、喫煙者にとっては八方塞がりに思える今回の対策。
非喫煙者にとっては受動喫煙のリスクが減り、たばこの煙やニオイで嫌な思いをすることがなくなるためメリットが多い対策だと思われますが、実際はメリットばかりではありません。
OlympicMUSEUMに来ました???
10時からだからちょっと早い?
新国立競技場 建設ちう
なんか感動するー。゚+.( °∀°)゚+.゚ pic.twitter.com/7ljUu8BYlO— ゆりchoch?✩⃛ೄ今季もわしほ⚾️?? (@yuzuchoch) October 3, 2019
2018年に開催された平昌冬季五輪では、屋内屋外と全面禁煙でスタッフ用の喫煙者のみが設けられていました。
しかし、平昌五輪では会場周辺で喫煙する観光客が多く見られ、吸い殻のポイ捨てがあとを絶ちませんでした。
さらに日本でも同様のことがすでに起こっています。中央大学多摩キャンパスでは、2018年9月に全面禁煙にする予定でした。それまで仮設の喫煙所を設けていたのですが、仮設喫煙所外での喫煙やポイ捨てが発生したのです。
ポイ捨て煙草を拾わない日がない、たまには敗北(ポイ捨てゼロ)を知りたい#ポイ捨て #煙草 #タバコ #たばこ #吸い殻 #マナー #常識 #非常識 pic.twitter.com/5QRLMwxpwv
— 屋台村酒場 青大将 (@dai3blue) September 27, 2019
また、海外ではすでに飲食店やバーでの全面禁煙が普及されている上に、路上喫煙すら許されえていないため、道路と店の間の狭い場所で喫煙することが当たり前になっていますが、そこには吸い殻がたくさん落ちている状態です。
会場のある千代田区や、そのほか観光客が流れてきそうな世田谷区や新宿区などは東京五輪に向けて喫煙所を増設する予定はないと発表しています。
さらに、東京五輪開催中は多くの外国人観光客が訪れるため、平昌五輪のように吸い殻のポイ捨てなどが相次ぐ可能性が大いにあります。
大田区は「区内全域、歩きたばこ・ポイ捨て禁止」(根拠:清潔で美しい大田区をつくる条例第五条)。路上喫煙については「いかなる場所においても子どもに受動喫煙をさせることのないように努めなければならない。」(根拠:東京都子どもを受動喫煙から守る条例第三条) pic.twitter.com/QNX8QMfiDK
— 伊佐治 剛_大田区議会議員 (@ISAJIGO_1345) May 30, 2018
そもそも東京都がデメリットまで頭が回っているのかは不明ですが、このデメリットにどのような対策が行われるのか見ものです。
ただ、朝顔を飾るとかダサすぎる被る日傘とかを暑さ対策として発表しているくらいなので、なにも対策されない可能性が高いでしょう。各自治体を頼りにするしかなさそうです。
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まとめ
東京五輪では会場内が全面禁煙となることが決定し、さらに東京五輪直前から東京都内の飲食店も全面禁煙になります。
喫煙者にとっては肩身が狭く八方塞がりのように思える対策ですが、世界中で禁煙は進められており、五輪が開催されるたびに規制が厳しくなっているので仕方ないことでしょう。
ただ、東京都内全面が路上喫煙を禁止しているわけではないため、東京でたばこを吸うことができないというわけではありません。
非喫煙者にとってはメリットの多い対策ですが、たばこのポイ捨てが多発するなどのデメリットも懸念されています。
はたして東京五輪では綺麗な街を保ちつつ、完全禁煙することができるのか要注目です。