大阪南海電鉄で車掌差別アナウンス

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南海電鉄の車掌が社内アナウンスで40代の車掌が「本日は外国人のお客様が多く乗車し、ご不便をかけております。」と発言したことが10月10日に判明し、国内で議論をよんでいる。

大阪南海電鉄の車掌のアナウンスが議論を呼んでいる

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 10月10日午前11時半頃、大阪の南海電鉄で40代男性車掌が社内アナウンスで「本日は多数の外国人のお客様が乗車されており、大変混雑しておりますので、日本人のお客様にはご不便をおかけしております」と放送したことが議論をよんでいる。

 乗車していた日本人女性が「定められたアナウンスなのか」と駅で問い合わせて発覚した問題の車内アナウンス。南海電鉄側の調査によると、車掌は、日本人乗客の一人が『外国人が多くて邪魔』といった内容を叫んだのを聞き、トラブルを避けるために放送したという。

 南海電鉄は関西空港や大阪の観光地であるなんば駅を通るため、外国人利用者も多い。空港特急の利用者の実に30パーセントは外国人だという。加えて堺、岸和田を通る生活線でもある。そのため、以前から、日本人乗客による、外国人観光客の大きな荷物が邪魔だという苦情がたびたび寄せられていた。

 10日の夜にインターネットで記事が掲載されると瞬く間に拡散され、日本国内だけでなく、隣国の韓国や中国でも話題となった。とりわけ韓国では、先日大阪の寿司屋でおこった、日本語の喋れない韓国人観光客に対して異常な量のわさびを寿司に入れて提供する「わさびテロ」が記憶に新しく、「外国人をさげすむ案内放送」として取りあげられた。さらに12日には道頓堀で韓国人観光客に対する暴力事件がおこった。これを受けて中国の旅行議者も、日本への旅行者に対し夜の外出を控えるよう注意喚起した。一連の大阪の事件によって日本の「治安のいい国」というイメージに傷がついてしまったのではないか。少なくとも、大阪だけではなく、日本全体のイメージが下がってしまったのは確かである。

外国人観光客との付き合い方

 2020年にオリンピックを迎える日本。東京に限らず、大阪でも外国人観光客の数は増え続けているし、これからも増えていくだろう。外国人観光客による経済の活性化は現在の安倍政権も注目している。

 しかし外国人観光客のマナーに不満を持つ日本人もいる。今回の車掌アナウンスについても、「確かにうるさい。」「感じの悪い人もいっぱいいる。」という意見があった。なんば駅には外国人向けに、「食事はしない」「携帯は使わない」「床に座らない」など車内のマナーを守るよう呼びかけがあるが、あまり効果はないようだ。

 観光立国としての道を歩みつつある日本にとって、こうした日本人と外国人観光客の持つ不満やトラブルをどう解消していくかが、重要な課題なのではないか。「郷に入っては郷に従え」の精神だけでは全ての外国人観光客を納得させることは不可能である。だからと言って、おもてなしの心だけで外国人観光客の一挙一動を受け入れることもできない。

 こうした外国人観光客に関する事件や差別問題が行こったとき、日本はどう解決すべきなのか。観光客を呼び込むようになってから日の浅いこの国では、まだ対応は手探り状態なのではないか。

あのアナウンスは差別だっったのか

 問題のアナウンスについて、車掌は、「乗客同士のトラブルを避けるために放送した。差別の意図はない。」と明言している。しかし、南海電鉄は「日本人でも外国人でもお客様に変わりはない。区別するような言葉はふさわしくない」とコメントした。また慶應義塾大学特任講師の若新雄純氏は「今回の件を差別的なものにしたのは車掌の発言ではなくて、アナウンスをそのように受け取って問題にした人たちだと思う。日本人と外国人の電車に対する考え方がそもそも全く違う」と指摘。 

 大阪府民の間でも意見は別れている。前述したように「確かにうるさい」、「感じ悪い人もいっぱいいる」、だから差別されても仕方ないと言う人もいれば、「差別とわかる人もいる」、「アナウンスで言うのはふさわしくない」と言う人もいる。

 しかし外国人は、アナウンスについて否定的な声が多かった。「国際都市なんだからそんなこと言うべきじゃない」、「気を付けているのに、2度と来たくない」など、怒りの声があがった。確かに自分が外国の電車でこのようなアナウンスをされた時のことを考えると、不快に思うし、怒りも感じるだろう。この議論は一筋縄では解決しなさそうだ。

 何をもって差別とするかは個人によって意見は別れるところ。いわんや外国人ならさらに話は複雑になっていくだろう。この車掌のアナウンスは、ひとびとが差別とは何かを考えるキッカケにはなったのではないか。
 



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