
どれだけ孤独耐性が高い人でも一人で生きていくことはできません。現代社会で生きていくためには人間関係の構築が必須となります。しかし酷い裏切りに遭遇して人間不信になってしまう人も少なくありません。人間不信は人生を曇らせる悲しい心理です。ここでは人間不信の本当の意味や人間不信を改善する方法をご紹介していきます。
人間不信とは
人間不信とは過去の出来事がきっかけで、他人を信用できなくなってしまう心理状態です。
ここで挙げる他人とは家族や親、兄弟も含まれます。
人間不信に陥っている人は誰にも心を開くことができません。
プライベートにおいてもストレスを抱え込むことになり、人生をつまらないと感じるようになります。

また、一過性ではなく長期に渡って続くことが多く、数年~数十年の間、人間不信の状態に苦しめられることもあります。
人間不信の本当の意味
人間不信という言葉は日常生活でもよく使われます。
「友人が大切な約束に遅刻してきた」
「恋人が誕生日を祝ってくれなかった」
といった些細な人間関係トラブルにおいても、用いられる用語です。
ただし、本当の意味は社会生活が行えなくなるほどの重度な症状であり、人間不信によるトラウマから引きこもり生活を送っている人もいます。

重度の人間不信に陥った場合、自力で解決するのは不可能に近いでしょう。
うつ病などの精神疾患を併発していることも多いため、心療内科の受診が求められます。
こういったことからもわかるとおり、本当の人間不信とは精神疾患の一種であるともいえます。
人間不信になるトラウマの例
人間不信になる原因には必ず過去に何らかの対人関係トラブルが起きています。
代表的なものを挙げると、
- ・友人や恋人、家族など親しい関係にあった人物の裏切り
- ・会社や学校で仲間はずれにされた、もしくはいじめに遭った
- ・当人に非がないのに嫉妬や妬みで嫌がらせを受けた
- ・両親や家族からの虐待
年齢や経過年数、暴力の有無は関係ありません。
学生時代に受けた無視や陰口といったいじめが原因で50代、60代まで人間不信になってしまう人もいます。

人間不信度の診断テスト
人間不信の兆候を感じる人は、人間不信度の診断テストを行なってみましょう。
以下の25個のチェック項目において、当てはまった数が診断結果となります。
- ・他人の言葉に不信感を抱いてしまう
- ・初対面の相手はマイナス要素からチェックする
- ・相手が嘘を吐いていないか疑いながら話を聞く
- ・プライベートで心を許せる他人がいない
- ・自分を理解してくれる人がいないと感じている

- ・陰口を叩かれそうだから意見を言わない
- ・自分の主張は否定されると考える
- ・金銭トラブルで損をした、もしくは裏切られた
- ・他人の行動にイライラしてストレスが溜まる
- ・自分の悪い部分を指摘されると極端に落ち込む

- ・怒られる自分を周囲の人が笑っている気がする
- ・褒め言葉には裏があると勘繰ってしまう
- ・恋愛トラブルで裏切られた経験がある
- ・子ども時代にいじめや仲間はずれにされたことがある
- ・他人は自分に対して優しくない

- ・家族仲がよくない家庭で育った
- ・気分が落ち込む頻度が高く、幸福感がない
- ・誰と話していても嫌味を言われているように感じる
- ・裏切りに遭わないよう注意しながら生きている
- ・今でも鮮明に思い出せるほどの裏切りに遭った
↓↓

- ・子どもの頃に育児放棄や体罰などの虐待を受けた
- ・他人の笑顔をうさんくさい、嘘臭いと感じてしまう
- ・小さなミスは隠して報告しない
- ・友人が相手でも緊張して会話が弾まない
- ・1年以内に友人や恋人に裏切られた
当てはまる項目が13個以上ある人は人間不信であると診断できます。
人間不信を克服する方法
人間不信は過去のトラウマが原因で引き起こされます。
他人と接するたびに過去の出来事がよみがえってしまい、相手を深く知る前から「信用できない」と判断を下してしまうのです。
よって人間不信を克服するためには、「なぜ相手を信用できないのか」理由を明確に考えるようにしましょう。
人間不信の人は大前提として他人を信じることができなくなっています。

しっかりと理由を考えなければ、無意識のうちに過去のトラウマが脳裏によぎって「信用できない」と結論付けてしまうのです。
まずは「なぜ相手が信用できないのか」を考えることが大切です。
もしも「過去に裏切られたことがあるから」というのが理由なら、もう一度、過去を切り離して考える必要があります。
今あなたの目の前にいる人物と、過去にあなたを裏切った人物は別人です。
トラウマと向き合って「今と過去は違う」と認識することも重要な人間不信の克服方法といえるでしょう。

まとめ
人間関係のトラブルで深い心の傷を負ってしまった人は、なかなか人間不信から脱却することができません。
表面的に他人と仲良くしても、心の傷がいやされなければ、いつまで経っても人間不信のままです。
そして、心の傷をいやすためには時間が必要です。
焦らずにゆっくりと人間不信を克服していきましょう。