ワイドナショーがジブリのネタツイを真に受け誤用放送

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松本人志が出演する『ワイドナショー』でスタジオジブリの宮﨑駿監督の引退コメントを放送。しかしそのコメントはただのネタツイートだった。それを知った松本は「番組降板も辞さない」と責任感を露わにしました。

宮崎監督の引退撤回は本当

 5月19日、スタジオジブリが公式ホームページで宮﨑駿監督による長編アニメーション映画を制作することを発表しました。宮崎監督といえば、2006年に『ゲド戦記』の監督を息子に任せ、遂に引退かと注目されたものの、映画がコケたためか2008年に映画『崖の上のポニョ』の製作、監督を買って出ました。2013年の『風立ちぬ』を最後に宮崎監督は引退すると宣言し、ついに会見まで開きましたが、結局まだまだお元気のようです。更に、今回の引退撤回の文章の中でも「これが最後」といっています。懲りないですね。引退しないことで有名な宮﨑駿監督

引退しないことで有名な宮﨑駿監督

via google imghp

『風立ちぬ』から4年、三鷹の森ジブリ美術館のための短編映画『毛虫のボロ』で、
 若いスタッフと共に苦手なCG技術にも野心的に向き合い、ついに完成させました。
 一方、この間、昔からの大切な仲間を何人も亡くし、
 自分自身の終焉に関してより深く考える日々が続きました。
ここに至り、宮崎監督は『引退撤回』を決断し、長編アニメーション映画の制作を決めました。
 作るに値する題材を見出したからにほかなりません。

 年齢的には、今度こそ、本当に最後の監督作品になるでしょう。

「大切な仲間」とは、『天空の城ラピュタ』、『となりのトトロ』など、多くのジブリ名作たちに携わったアニメーターの二木真希子や30年間もスタジオジブリで色彩設計を務めてきた保田道世などのベテランスタッフ達のことでしょうか。そして本当に最後になるのでしょうか…

 しかし、また宮崎監督の作品が見れるのは嬉しいです。亡くなった方たちを胸に頑張って欲しいです。

問題の引退コメント

 5月28日朝に放送されたフジテレビのニュースバラエティ番組『ワイドナショー』でも、宮崎監督の引退撤回のニュースは大きく取り上げられました。しかしその放送の中には事実無根のデマが。デマの内容は当のスタジオジブリ宮﨑監督の引退コメント集。一般の視聴者から気になるニュースを聞き、それについて詳しく解説していくコーナーで、宮﨑監督が引退を撤回して再び長編を作ると宣言したことについてコメンテーターたちに意見を求める内容のお便りが届いたことがきっかけです。

 番組では、これまで宮﨑監督は11の長編アニメ映画を制作し、そのうち7回も引退コメントをしていると紹介。それを受けて、番組でMCを務める東野幸治がニヤニヤしながらフリップを取り出しました。その内容は宮崎監督が行ってきたとされる辞める辞める詐欺発言の年表。しかし、この年表は一般のツイッターユーザーが「ネタ」として投稿したもの。つまり宮崎監督は年表にあるような発言はしていません。デマが書かれたフリップ

デマが書かれたフリップ

via google imghp これを見た松本は大爆笑。他にも、2013年に正式に開かれた引退会見での、辞める辞める詐欺的な発言をいくつか紹介していて、アナウンサーが宮崎監督の引退会見の発言を紹介し終わらないうちから松本はずっと笑いっぱなし、東野も机に突っ伏して笑っていました。

 これが元となったツイート。『千と千尋の神隠し』と『崖の上のポニョ』以外は一字一句同じです。このことから番組側がこのツイートをほとんどパクってフリップを作ったのは明らかです。しかも微妙に変えている所が小賢しさを感じます。

 それにしても、ただのネタツイの引用なのに、フリップにすることでまるで自分たちで調査したかのような雰囲気を醸し出していますね。松本や東野も、ネタだと最初から分かっていたら笑うどころか上から目線でお笑い分かってない的な説教を始めたことでしょう。一般人のネタに笑うベテランお笑い芸人たち。

ネタツイの投稿者が言及

 ネタツイを投稿したあれっくす氏は、結果としてデマ拡散の片棒をかついでしまったことを反省しているとツイートしました。

 中には「ネタツイ」が事実とは関係ない冗談のツイートだということがわからないユーザーも多いようです。「ネタ」という言葉自体に、嘘、事実無根という意味はないのでしょうがないと思います。番組製作者の方々も、「ネタ」と「ネタツイ」と「ガセネタ」の区別がついていなかったようです。ツイッターは難しい。あれっくす氏の言う通り、明らかに嘘のツイートを信じる人がいるとは。

 あれっくす氏の宮崎監督のネタツイはボジョレーヌーボーのキャッチコピーをオマージュしたものです。ボジョレーヌーボーは毎年「過去〇〇年で一番」「最高」などといった言い回しを乱用するので、ツイッターを中心に「またかよ」「本当か?」とツッコミを入れるのが流行った次期がありました。宮崎監督の引退宣言もボジョレーヌーボーと似た所があるので、あれっくす氏はそこのウケを狙ったのでしょう。結果としてネタツイは伝わらない人の手に渡り、デマのようになってしまいましたが。google imghp (102222)

via google imghp

 しかし、テレビ業界の人ならあれっくす氏のツイートが事実ではないことくらい調べればわかると思うのですが…ネットで検索する手間も省いて番組を作っているのでしょうか。それとも松本人志のご機嫌取りに忙しいだけ?

 情報を手に入れる側のメディアリテラシーが試される時代になりましたね。

番組が謝罪

 この放送の翌日29日にワイドナショーの公式ホームページで謝罪文が掲載されました。原因は「確認不足」とコメント。今後は制作過程でのチェック作業を強化するなど対策を取るそうです。なぜツイッターのネタツイが番組で放送されたのか詳しい経緯は明言されませんでしたが、今後の番組製作でこういったことが起きないよになるといいですね。

 以下、発表された謝罪文全文です。

2017年5月28日(日)10:00~11:15放送の「ワイドナショー」において「宮崎駿『引退撤回』新作長編アニメ始動!」という内容を放送いたしました。
その中で宮崎駿氏の過去の引退に関わる発言としてフリップで紹介した内容が、実際には宮崎駿氏の発言ではなかったことが分かりました。
真偽を確認しないまま放送に至り、宮崎駿氏並びに関係者の皆様、視聴者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

 一方スタジオジブリは宮崎監督の引退宣言含め、うちからは何も言うことないと大人な対応。

松本「今度あったら降りる」

 この誤用問題は次週6月4日放送の番組でも取り上げられ、司会の秋元優里アナウンサーとMCの東野幸治など出演者を通して改めてお詫びする展開となった。松本はお詫びの後に、スタッフに責任を丸投げするのは嫌だと切り出し、自分なりの責任のんとり方を力説しました。

正直言うと「知らんがな」ですよ。だって、われわれは与えられた情報をしゃべるしかないので。事前にフリップを見た訳でもないですし、僕はそこまで詳しい訳ではないから。僕らはそれを信じてしゃべるしかないんですよ。これをもしやめるならば、東野のも俺も、何時間も前にスタジオに入って、ニュースを全部決めて、文言も全部確認して、僕らも裏取りもしないといけない。そんなことできる訳ないし、われわれの仕事ではないので。

なんですけど「われわれは知らんわ」というのは、なんとなく嫌いなので。今度もしこのようなことがあったら、僕はワイドナショーを降りようと思っているんですよ。

 自分たちでニュースの信憑性は確かめたくないけど、制作スタッフの責任にはしたくない、と何ともいいとこ取りなポジションを取ろうとする松本ですが、番組とスタッフを大事に思っている気持ちは伝わるような気がします。ただこの発言はスタッフからすれば、今度なにかミスがあったら松本人志に番組を降板されてしまう、というプレッシャーを感じただけにすぎないかもしれません。全部計算込みで言っているなら松本はかなり今回の件に怒っているといえますね。

 このジブリのデマ報道をキッカケに、ワイドナショーがよりニュース番組として真面目な番組に生まれ変わってしまうのでしょうか。



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