
メダル獲得が有力視されていたスキージャンプの高梨沙羅選手。しかし、まさかの「失格」で記録はなし。日本中が驚いた「スーツ規定違反」とはどんなルールなのでしょうか?高梨沙羅選手が失格となったスーツ規定違反と共に、審判員の声を合わせてご紹介します!
メダル獲得が有力視されていたスキージャンプ高梨沙羅
高梨沙羅選手は北海道出身の25歳。
これまでソチ、平昌、そして北京と3大会連続でオリンピックに出場しています。
平昌オリンピックでは銅メダルを獲得し、ワールドカップでは男女通じて歴代最多の61勝、男女通じて歴代最多の表彰台110回、女子歴代最多のシーズン個人総合優勝4回という成績を収めています。
そのため、今回の北京オリンピックでもメダル獲得は有力と思われていました。
大ジャンプを決めるもスーツ規定違反で「失格」
高梨沙羅選手は北京オリンピックで個人のノーマルヒルと、混合団体に出場。
ノーマルヒルでは惜しくも4位となりメダルを逃しました。
一方、佐藤幸椰選手、伊藤有希選手、小林陵侑選手と共に出場した混合団体で1回目に103.0メートルを記録し、124.5点に。
この時点で暫定首位でしたが、なんと「失格」に。
その後、2回目は98.5メートルで118.9点。
結果的に日本チームは合計836.3点で4位となりメダル獲得は叶いませんでした。
高梨沙羅が失格になったスーツ規定違反とはどんなルール?
北京オリンピックで高梨沙羅選手が失格となった理由は「スーツ規定違反」でした。
スーツ規定違反とは、一体どんなルールなのでしょうか?
スキー連盟のガイドラインでは、選手は下着一枚で両腕を水平に広げ、股下や体の周りなどあらゆる場所を計測されます。
この時、スーツの寸法と体のサイズが一致している必要があり、誤差は数センチまで。
しかし今回、高梨沙羅選手は「規定より2cmスーツが大きかった」ということで失格になりました。
スキージャンプでは揚力が飛距離に大きく影響しますが、このスーツは大きければ大きいほど空気抵抗が大きくなるので、揚力を得ることができます。
だからこそ「ピッタリサイズ」じゃないとダメという規定があるのですが、体は水分を取っただけでもサイズが微妙に変化。
そのため、いつも10数着のスーツを用意しており、その日のサイズに合わせてチームサイド側が準備するという流れになっています。
しかし、今回の失格判定を巡っては5人の選手のうち、高梨沙羅選手を含め4人が失格になっているため「何かがおかしい」と感じた方も多かったはず。
実際、失格になった国の選手やスタッフたちは激怒し、大波乱を巻き起こしています。
高梨沙羅が失格になったのは今回が初めてじゃなかった!
北京オリンピックのスーツ規定違反により、失格になってしまった高梨沙羅選手。
しかし、高梨沙羅選手は過去にもスーツ規定違反で失格判定を受けています。
高梨沙羅選手がスーツ規定違反で失格になったのは2018年のリレハンメルW杯、そして2021年のW杯個人戦。
特に2018年のW杯では「前日と同じスーツ」を着用していたのにスーツ規定違反で失格となっています。
しかし、スキージャンプ界ではある意味、誰もが通る道でもあるスーツ規定違反による失格。
今回、金メダルを獲得した小林陵侑選手も2021年のW杯で失格になっています。
それくらい日頃から注意をしていても、難しいルールということですね。
スーツ規定違反の裏にあった選手たちの日常的な不正行為
競技が終わった後に測定されるという、謎のスーツ規定ルール。
多くの方が今回、高梨沙羅選手が失格になったことを知り「飛ぶ前に検査すれば良かったのに!」と思ったはずです。
ではなぜ、スーツ規定の測定は競技後に行われるのでしょうか?
審判員が批判に対抗
今回、スキージャンプで審判を務めたアガ・ボンチフスカ審判員は日常的に不正行為が行われていることを指摘。
「私はもっと各チームや選手がちゃんと準備をし、真剣に取り組むものだと捉えていました」とし「誰かが(規定より)10センチも大きいスーツでジャンプしていた場合に私はどうすべきでしょうか? 」と違反をしている選手がいることを説明しました。
また自身の仕事柄、批判を多く受けることを明かした上で「それでも、私たちが計測しなければならない事実は変わらない。結果として、紙に記載する数字が必要ですから」と述べています。
さらにジャンプスーツの専門家であるタデウス・ショスタク氏は下記のように明かしています。
「これまできちんとやっていれば、フェアプレー精神が特に重要な五輪でこんなに失格者を出すことはなかった。この種目では、いかにしてジャッジを〝だますか〟ということまで実践されているのは周知の事実。ジャンパーは特定のことを避ける方法を教えられている。この流れを止めるのは判定する者の役目で、ジャンプを本当のスポーツに戻すことができる」
出典元:東スポWeb
このような証言が上がっているため、故意的に違反をしていた選手がいたことは事実のようです。
だからこそ、競技が「終わった後」に「抜き打ち」で検査が行われているということが分かりました。
日本選手団は高梨沙羅の失格について「抗議しない」と発表
日本中の多くが「納得できない」と怒っているスーツ規定違反による高梨沙羅選手の失格。
実際に測定を受け、失格となった選手からは「いつもと測り方が違っていた」という声も上がっています。
これを受け、一部の国では今回の結果に納得できないとし抗議する意向を示しています。
しかし、日本は現時点では「抗議しない」考えを表明。
その代わりに「提案」として、用具や測定方法などについての文章を提出するということです。
この対応を巡っては「抗議しないということは違反を認めたことになる」「日本だけ抗議しないのはおかしい」という声も上がっていますが、一部ではスーツ規定違反の規定を変更するという情報も上がっています。
正直、選手たちにとっては「今さら」という気持ちもあるはずですが、今後に向けてしっかりと問題点を改善して欲しいですね。
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まとめ
高梨沙羅選手が失格となったスーツ規定違反と共に、審判員の声を合わせてご紹介しました。
スーツ規定違反というルールによって、残念ながら失格となってしまった高梨沙羅選手。
今でも日本中から「測定方法がおかしかったのでは?」「陰謀があったようにしか思えない」という声が上がっています。
しかし、すでにその結果が覆る可能性は少なく高梨沙羅選手は次の試合に向けて海外へ出国。
ここまで大量に失格が出たことは珍しいようなので、他の国の抗議の行方を見守るしかなさそうです。