
「やる気が出ない」という言葉を聞いて「サボってるだけ」と思った人は少し認識を改める必要があるかもしれません。やる気にもちゃんとしたメカニズムがあり、何らかの理由によってやる気が出ない状態になっているのです。ここではやる気が出ない理由や、薄れてしまったやる気スイッチをオンにする方法をご紹介していきます。
やる気とは
やる気とは物事を行なおうとする気持ちのことを指します。
つまり、スタートダッシュや原動力がやる気ということですね。

始めた作業を継続させることにやる気は関係ありません。
やる気が関わるのは最初の一歩を踏み出せるかどうかであって、継続するのは集中力や持久力です。
「やる気を継続する」という言葉も、一旦作業を中断したあと、再び物事に取り組めるか否かを意味しています。
やる気のメカニズム
次にやる気のメカニズムを科学的に解説してみましょう。
やる気が出ないのはドーパミンの分泌が少なくなっているからだと言われています。
ドーパミンとは精神を高揚させる興奮物質のことです。
脳に作用して前向きな気持ちや満足感を生み出してくれます。

逆にやる気が出ない時にはノルアドレナリンという物質が分泌されています。
ノルアドレナリンは危険を感じた時に分泌される物質です。
集中力や判断力の向上といった作用もある一方で、新しいことに取り組もうという気持ちを減退させる作用を持っています。
ノルアドレナリンが分泌されるのはストレスや恐怖を感じた時です。
つまり、やる気はストレスや失敗するかもしれないというネガティブな感情によって損なわれていきます。

やる気が出ない理由
やる気が出ない理由を具体的に挙げると、以下のようなパターンが多いとされています。
1.心が疲れている
度重なるストレスや人間関係のいざこざ、上司や親からの過度な期待などで心が疲れている時にやる気は出ません。
経済的な不安や近所づきあいといったプライベートのストレスもやる気に深く関わっています。
どんなシーンであっても、ストレスを感じている状況でやる気が出ないのは当然のことなのです。

2.身体的な疲労
体が疲れていてもやる気は出ないでしょう。
これは脳が体に蓄積された疲労を検知して、休息を取るよう命令を出しているためです。
体が疲れている時に脳がやる気を出す命令を出してしまったら、人間は倒れるまで働いています。
身体的な疲労が原因でやる気が出ないのは、命を守るための防衛本能の一種と捉えるべきでしょう。

3.やりたくないからやる気が出ない
やりたくないことをやろうとしても、脳はドーパミンを分泌させようとしません。
ドーパミンがもっとも多く分泌されるのは、目標達成に意欲を感じている時です。
もちろん意欲を感じる事柄は仕事内容に限りません。
達成することで得られる報酬や称賛もやる気を高める要素です。

4.やるべきことが多すぎる
人間は決断を行なう際に大きな労力を必要とします。
やるべきことが多すぎると決断の連続となってしまい、脳が疲弊してしまうのです。
脳が疲れると心と体の両方に疲れが伝わって、やる気が出ない状態になってしまいます。

5.無意味だと感じている
人間は自分の行動に意味のある結果を求めます。
たとえ報酬が発生するとしても、失敗するとわかっている事柄や無意味だと感じる物事にやる気を出すことはできません。

6.リスクを恐れている
恐怖はやる気を失わせる「ノルアドレナリン」を分泌させます。
身体的な恐怖だけでなく、叱責や失敗のリスクもやる気が出ない要因です。
もちろん「恐ろしいことから逃げたい」という気持ちもやる気を奪っています。
やる気スイッチをオンにする方法
では、やる気スイッチをオンにする方法とは一体どのようなものがあるのでしょうか、見ていきましょう。↓↓
やる気スイッチをオンにするためには、やる気が出ない原因を論理的に把握していくことが第一です。
たとえ「作業が無意味だからやる気が出ない」としても、原因がわかれば、それでも作業を行なうメリットが見えてきます。

こういったメリットや得られる利益を文章化するのも、やる気スイッチをオンにする良い方法です。
人間が行動を起こすためには理由が必要となります。
やることで得られるメリットやゴールを明確にすることで、「やらなければいけない理由」が生まれます。
文章を紙に書いて持ち歩き、やる気を出したい時に確認するようにしましょう。

なお、とにかく強引に行動を起こしてみるのも良い手段です。
やる気は最初の一歩を踏み出すための原動力。
「1分だけ」とハードルを下げて取り組むことで、そのまま作業を継続していくことができます。
まとめ
やる気が出ないのにはしっかりと理由があります。
特に心や体の疲労はやる気を失わせる大きな原因です。
疲れている時には判断力や集中力も低下しているので、無理に取り組んでも生産性が下がってしまいます。
疲れていてやる気が出ない時は、何よりも休息を取ることを優先しましょう。
じゅうぶんに休息をとっても、やる気が出ない場合は目標を再度確認してみてください。
メリットを見出すことができれば、自然とやる気は出てきます。